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第44回
□ 山寺にて
山寺の下で,9人の小団体の男女に会った。
山門への道々,話かけられた。
「お寺までは,まだまだたくさん歩くのですか?」そんなことが話し始めだった。
駐車場で,ナンバープレートを見ていたので,県内の人ではないことは想像ついた。
しり上がりの独特な言葉とマイクロバスで,出身地がわかった。
参拝券は,10人から団体扱いになり,2割引される。
「団体扱いになるように,ご一緒に入場券を購入していただけないでしょうか?」
結構虫のよい話に,9人の団体が乗った。
まあ,お互いの幸せ(利)のためだ。
2日前に,NHK「趣味の園芸」で紹介された花の寺である。
2ヶ月前に訪れたときとは,花も空気も違っていた。
鐘つき堂の前で,テレビで紹介されたホトトギス(花)を見た一行は,そのまま帰ろうとする。
「この寺は,本堂の裏の庭が,禅寺特有のすごいものです。お時間があったら,本堂に寄りませんか?」 寺の本堂には,入りたくない,入ってはいけない・・・という空気が,一瞬流れたようだが,誰かが「見ようかあ。」と間延びした声を出すと,全員がなんとなく本堂へ歩を進めた。
質実剛健ともいう質素な本堂を横目に,順路に従った先頭の一人が「おおっ,」と声ともならない感嘆詞を発した。山寺の裏庭の石組みと滝に,驚いている。
「京都ならいざ知らず,こんな田舎に,これほど立派なお寺があったなんて,友達からも聞いていなかった。」と,グループの一人が言い,「また来ます。」と言って満足げな顔で寺を後にした。
NHK「趣味の園芸」で放映されたホトトギス
10月に咲くカキツバタ,結構な数が咲いていた。
群馬県利根郡川場村の吉祥寺の団体拝観券。河波姫(カワバヒメ)がチケットを飾っている。頼朝の愛人だった女性。
(2005/10/12)
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