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第59回 果物と野菜のカロリーは同じって本当!?

  



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□□■ 果物&健康NEWS Vol.59■□□
   ■  2005年6月10日(金)   ■


みなさん、こんにちは!
 今週から新しいコーナー「勝ちゃんの家庭で楽しむ果物
作り、こんな時どうする」の連載が始まります。
 特集は、果物と野菜のカロリーは同じって本当!?です。
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毎日くだもの200グラム以上食べましょう!
公式ホームページは http://www.kudamono200.or.jp



:::■ メニュー ■::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 ◇ 果物と野菜のカロリーは同じって本当!?
 ◇ 健康ニュース 温州ミカンに肝障害予防効果
 ◇ 勝ちゃんの家庭で楽しむ果物作り、こんな時どうする
 ◇ 今週のレシピ サクランボのくず茶巾
 ◇ 編集部より



□ 果物と野菜のカロリーは同じって本当!?

 わが国の果物摂取量は、世界的に見て、非常に少ないのが現状です。なぜ、日本人は果物を食べないのでしょうか。いろいろな理由があると思いますが、「果物は甘くカロリーが高いので太るから食べない」もその理由の1つと思われます。本当でしょうか。

 例えば、ゴボウとリンゴを比較してみましょう。ゴボウのカロリーは100g当たり65kcalですが、リンゴのカロリーは54kcalです。また、わさびを一度に100g食べる人はいないと思いますが、わさびのカロリーは88kcalです。リンゴよりかなり高いことが分かります。最初に、ゴボウとわさびを取り上げたのは、甘さとカロリーは直接関係がないことを言いたかったからです。ショートケーキは甘くて美味しいのですが、カロリーが高いのは糖分ではなく脂肪分が多く含まれているためです。

 リンゴや温州ミカンなど主な果物は、表3に示したとおり30〜70kcalの間に入ります。それに対して、らっかせい(295kcal)、とうがらし(96kcal)、グリンピース(93kcal)などの野菜は、果物よりカロリーが高いのです。また、パセリは44kcalで温州ミカンと、にんじん、たまねぎはアンズとほぼ同じカロリーです。このように果物は野菜と比較してもカロリーが高いわけではありません。

 「ごまかさないでください。もっとカロリーの低い野菜がたくさんあるはずです」と、言われそうです。その通りです。果物よりカロリーの低い30kcal以下の野菜には、ししとうがらし(27kcal)や青ピーマン(22kcal)などがあります(表4)。前号メルマガのキッズQ:トマトは野菜か果物かについての裁判を思い出してください。野菜とは、そのままではあまり食べず、加工して食べるものであるとの判例がでています。例えば、ししとうがらしや青ピーマンを油炒めにすると、それぞれ60kcal、64kcalとなり、リンゴより高くなってしまいます。セロリ(15kcal)はカロリーがとても低い野菜ですが、マヨネーズやドレッシングなどと一緒に食べると、この場合も果物と同じかそれ以上のカロリーとなります。マヨネーズ大さじ1杯(15ml)のカロリーは100kcal位です。カロリーの低い野菜はそのままで食べるのはまれで、油炒めなど、美味しく料理するのが普通です。

 以上のことから私たちは果物と野菜のカロリーは、ほぼ同じと考えています。従って、「果物は甘いから太る」は誤解だと思っています。
皆さんの裁定やいかに?

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表1 果物より高い野菜 (100g当たり70kcal以上)
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らっかせい 295;えだまめ 135;にんにく 134;
らっきょう 118;そらまめ 108;とうがらし 96;
グリンピース 93;スイートコーン 92;西洋カボチャ 91;
わさび 88 (kcal)
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表2 果物と同等の野菜 (100g当たり30kcal以上、70 kcal以下)
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ゴボウ 65;青ピーマン(油炒め) 64;
ししとうがらし(油炒め) 60;日本カボチャ(ゆで) 60;
日本カボチャ 49;パセリ 44;モロヘイヤ 38;にんじん 37;
たまねぎ 37;ブロッコリー 33 (kcal)
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表3 主な果物のカロリー (100g当たりのカロリー)
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カキ 60;ブドウ 59;リンゴ 54;キウイフルーツ 53;
ブルーベリー 49;温州ミカン 45;日本ナシ 43;モモ 40;
オレンジ 39;アンズ 36 (kcal)
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表4 果物より低い野菜 (100g当たり30 kcal以下)
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ししとうがらし 27;青ピーマン 22;なす 22;
ほうれんそう 20;うど 18;だいこん 18;セロリ 15;
はくさい 14;キュウリ 14;レタス 12 (kcal)
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【参考】
メルマガ58号(05/6/3発行)キッズQ:イチゴが果物なら
トマトだって果物じゃないの?

メルマガ57号(05/5/27発行)キッズQ::イチゴは果物?野菜?




□ 健康ニュース 温州ミカンに肝障害予防効果

 温州ミカンを多く食べると肝機能障害や動脈硬化の予防に役立つことが、(独)農研機構果樹研究所の杉浦実らの疫学調査で分かりました。温州ミカンの産地でわる静岡県三ケ日町の男女1073人を対象に調査した結果、@ミカンに含まれるカロテノイドの一種であるβ-クリプトキサンチンやβ-カロテン・リコペン・α-カロテンの血中レベルが高い人ほど、アルコール性肝障害の指標となるγ-GTP値が低いこと、Aβ-クリプトキサンチン・β-カロテンレベルが高い人達では、高血糖が原因となる肝機能の障害程度が低いこと、さらに、Bβ-カロテン、β-クリプトキサンチンレベルが高い人達では、上腕動脈−足首動脈間の脈波速度で評価した動脈硬化度が低いことが明らかとなりました。 温州ミカンには、オレンジの約10倍のβ-クリプトキサンチンを含み、過去の調査ではミカンを多く食べると血中濃度が高くなることも分かっています。

 プレスリリースは下記のサイトで読めます。
http://www.fruit.affrc.go.jp/announcements/
kisya/h17-06-07/eiyo_Carotenoid.html





□ 勝ちゃんの家庭で楽しむ果物作り、こんな時どうする
   第1回 カキを毎年たくさんとるには?


 果物のことをたくさん知って、沢山食べていただきたいと思います。そのため、果物を自分の手で、庭先や鉢植えで育て、楽しんでみませんか。

 最初から「難しいとあきらめている」、「やりたいけどまだ、手をだせない」、「興味があり植えては見たが、実が成らずやめてしまった」、「木(樹)ばかり大きくなるので切ってしまった」等々良く耳にします。そこで、家庭で楽しむ果物作りのコツや疑問について、その季節の折々に解説していきたいと思っています。

 今回は庭先によく見られる「カキ」を毎年たくさん収穫するにはどうしたらよいかについてお話しします。カキの木には、大きな果実を成らす力がありますが、カキの木の能力以上に果実が沢山つくと、大きくて美味しい果実にすることはできません。また、沢山成らせると果実に栄養分が取られてしまい、次の年の花を作るための栄養分がなくなり、翌年果実がとれなくなってしまいます。

 カキは、何もしないと沢山実が成る年(表年)と少ない年(裏年)が繰り返されます。こうした現象を専門的には「隔年結果」と呼んでいます。そこで、毎年同じように果実を成らせるためには、樹になる果実の量を調整する必要があります。果実の成る量を一定にするため、まだ果実が小さいうちに取り除くのが「摘果」です。花の時期に成らせる果実の量を調整する場合は、摘蕾・摘花と呼びます。この摘蕾・摘花、摘果をすると、毎年、大きくて美味しい果実を収穫することができます。

1)摘果の時期
 摘蕾・摘花は開花前から開花期にかけて行います(着果率が向上します)。摘果は、開花後40日くらい経過し、果実の成り具合を見極めてから行います。時期としては7月上旬頃になります。カキ農家では摘蕾による調節が主体で摘果は手直し程度にしています。

2)摘果の程度
 ‘富有’などの品種の場合、1本の枝に1つの果実を標準とし、葉の枚数が18〜20枚に果実1個を目安に摘果します。葉が5枚以下の枝には実をつけさせないか、2〜3本の枝に1個の果実とします。但し、勢いの良い枝や果実が小さい品種では1本の枝に2〜3個成らせることもあります。また、果実が成っているところが樹の中で偏っている場合は、樹全体を考え、1本の枝に2個成らしたり、葉が5枚以下の枝にも成らせる場合もあります。
 「カキが色づきゃ医者が青くなる」秋まで虫や、病気に負けないよう見守りましょう。




□ 今週のレシピ サクランボのくず茶巾

 ほんのり桜の香りがするサクランボのくず茶巾。Mama's Kitchen WEBサイトにはとても美味しそうな写真載っています。

材料(4人分)
 くず粉 50g、水 400cc、砂糖 60〜70g、桜の花の塩漬け 8枝、さくらんぼ 8個

作り方とできあがりの写真は下記のサイトで読めます。
http://www.hankyu-dept.co.jp/takarazuka/recipe/r01108.htm




☆ 編集部より ☆

 ご要望の多かった新コーナーができました。プロ中のプロであるSuzuki勝ちゃんの「家庭で楽しむ果物作り」に、日頃の疑問や質問をお寄せください(メールの宛先は下記)。果樹研究所公開日でも、このコーナーはいつも人だかりです。(tnk)

 果物は、カロリー高くないですよー。また、女性の多くの方が便秘に悩まされていると思いますが、便秘予防には食物繊維の摂取が大切です。りんご1個、みかん2個など毎日くだもの200g以上食べて、腸内環境を整え、便秘を解消しましょう。(N)




 果物&健康NEWS ご愛読に感謝申し上げます。
 無断転載は、引用を含めて、お断りします。
 ご協力に感謝いたします。  編集長 敬白

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