平成17年1月に五訂増補日本食品標準成分表(五訂増補成分表)と五訂増補成分表脂肪酸成分表編が公表されました。平成12年に公表された五訂日本食品標準成分表(「五訂成分表(初版)」)からの主な変更点は次のとおりです。 収載成分のうち、ビタミンA及びビタミンEについて「日本人の食事摂取基準2005年版」との整合性を確保するため、成分値が変更になりました。また、脂肪酸成分表にあわせ、本表の脂肪酸の成分値を修正しました。
プロビタミンAにたいするレチノール当量の算出方法が変わり、β-カロテン当量の1単位は1/12レチノール当量となりました。そのため、植物性食品のビタミンA含量は、今までのおおよそ半分になりました。また、今まで一括してβ-カロテン相当量としていたプロビタミンAを、α-、β-カロテン、β-クリプトキサンチンに分け、それぞれの成分含量を掲載しています。
日本人の食事摂取基準2005年版ではビタミンEをα-トコフェロールに限ったため、ビタミンEの成分値が大きく変動した食品もあります。五訂増補成分表では、α‐トコフェロール当量をやめ、α‐、β-、γ‐及びδ-トコフェロールの成分値を掲載しています。
表1 ビタミンAの成分値の変更 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ビタミンA ビタミンA β-クリプト 五訂(初版) 五訂増補 α-カロテン β-カロテン
キサンチン −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ウンシュウミカン 180 → 92 0
190 1800 (砂じょう・普通) タンゼル 180 → 89 0
410 1300 ポンカン 100 → 52 3 110 1000 カキ(甘ガキ) 70 →
35 17 160 500 ニンジン 1500 → 760 2800 7700
0 (根・皮付き) トウモロコシ 26 → 13 11 99
100 (玄穀・黄色種) トウガラシ 1300 → 640 130 6600
2200 (果実・生) トマト 90 → 45 4 540 0 普通牛乳 39
→ 38 0 6
0 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (単位:μg/100g)
表2 ビタミンEの成分値の変更 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ビタミンE ビタミンE 五訂(初版) 五訂増補 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− スダチ(果皮)
5.3 → 5.2 アンズ 1.7 → 1.7 ブルーベリー 1.7 →
1.7 キウイフルーツ 1.3 → 1.3 エダマメ 1.5 → 0.8 トウモロコシ(玄穀)
1.5 → 1.0 ゴマ油 4.8 → 0.4 大豆油 19.5
→ 10.4 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (五訂増補:α-トコフェロールの値、単位:mg/100g)
食品成分は、天然物であるため種々の要因によりかなり変動するのが普通です。また、加工品でも原材料の配合割合、加工方法の相違等により成分値に差異が生じます。そのため、食品成分表では、数値の変動要因に十分配慮しながら幅広い利用目的に応じて、分析値、文献値等を基に標準的な成分値を定め、1食品1標準成分値を原則として収載しています。言い換えると、成分表の成分値は、年間を通じて普通に食品を摂取した場合、全国的な平均値を表す標準成分値という概念に基づき求めた値です。
文部科学省科学技術・学術審議会資源調査分科会の報告書は下記のサイトに掲載されています。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/toushin/05031802.htm
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