Home page > 生活習慣病予防 > 果物成分の健康機能  > 
 ■ ミネラル
 果物に含まれているミネラルと健康との関係を紹介します。

      
 内容

 ミネラルとは      マグネシウム
             マンガン
 リン           カルシウム
 カリウム        亜鉛


 
 ミネラルとは、ヒトの栄養上、水と有機物以外で食物から摂取する元素をいいます。水と有機物を構成する炭素、水素、窒素、酸素、イオウを除くと、現在のところ、21種類のミネラルがヒトの健康の維持・増進に必要であると考えられており、人体には体重の5%前後のミネラルが含まれています。また、ミネラルを摂取する場合には調理による損失も考慮する必要があります。調理による損失程度は食品の形態、調理条件にもよりますが、蒸すと魚からは10〜30%、野菜からは0〜50%、煮ると魚からは15〜25%、野菜からは25〜50%失われます。銅や鉄は、煮ることで肉・魚から50〜75%、野菜から10〜50%が失われます。そのため、調理せずに摂取できる果物から、ミネラルを摂取するのは有効な手段です。

 バランス良くミネラルを含む果物を、年間を通じて摂取することが、健康に毎日の生活を営むために重要です。代表的な果物20種類200gに含まれているミネラル含量を表に示しました。旬な時期に果物を200g摂取すると、一日に必要な栄養所要量を、カリウムで19.0%、マグネシウムで6.5〜8.0%、銅で5.5〜6.2%、マンガンで4.6〜5.2%、リンで4.9%、鉄で4.1〜3.4%、カルシウムで4.0%、亜鉛で2.1〜2.5%満たせます。一方、日常的に食塩を多く摂取しすぎているため、ナトリウムの削減が求められています。果物には、ナトリウムは、ほとんど含まれていません(0.0%)。このことから、健康に毎日の生活を営むためには、バランス良くミネラルを含む果物を、年間を通じて旬な時期に出来るだけ多く摂取することが重要です。



Copyright 2004-2005 Keiichi Tanaka. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.

 
マグネシウム
 バナナやイチジク、キウイフルーツなどに多く含まれているマグネシウムは、生体内で浸透圧の調節や酵素の活性化、エネルギー依存性の反応に関与し、糖尿病、骨粗しょう症、動脈硬化症や高血圧などを予防します。ヒトにおいては、マグネシウム欠乏症はまれにしかおこりませんが、マグネシウムなどのミネラルが多い水を飲んでいる地域では低い地域に比べて、心臓障害による突然死の発生率が低いといわれています。


年 齢
(歳)
マグネシウムの栄養所要量
所要量(mg) 許容上限摂取量
(mg)
男   女
0〜 (月) 25
6〜 (月) 30
1〜2 60 130
3〜5 80 200
6〜8 120   120 250
9〜11 170   170 500
12〜14 240   220 600
15〜17 290   250 650
18〜29 310   250 700
30〜49 320   260 700
50〜69 300   260 650
70以上 280   240 650
妊婦      +35 700
授乳婦     +0 700
第6次改定日本人の栄養所要量



Copyright 2004-2005 Keiichi Tanaka. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.

 

 モモやキウイフルーツなどに多く含まれている銅は、生体内で様々な酵素と結合しています。たとえば、コラーゲンやケラチンの架橋形成に必要なリジンの酸化を触媒するリジルオキシダーゼも銅酵素です。銅欠乏が起きるとコラーゲン形成能が低下するため、骨折しやすくなります。


年 齢
(歳)
銅の栄養所要量
所要量(mg) 許容上限摂取量
(mg)
男  女
0〜 (月) 0.3
6〜 (月) 0.7
1〜2 0.8
3〜5 1.0
6〜8 1.3  1.2
9〜11 1.4  1.4
12〜14 1.8  1.6
15〜17 1.8  1.6
18〜29 1.8  1.6 9
30〜49 1.8  1.6 9
50〜69 1.8  1.6 9
70以上 1.6  1.4
妊婦    +0.4 9
授乳婦    +0.6 9
第6次改定日本人の栄養所要量



Copyright 2004-2005 Keiichi Tanaka. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.

 
マンガン
 ビワやアンズ、イチゴなどに多く含まれているマンガンは、様々な酵素の非特異的な補要因として種々の生化学反応に関与しします。不足すると骨代謝、糖脂質代謝、皮膚の代謝などに影響を及ぼすなど、身体の成長、骨の形成を助けるミネラルです。


年 齢
(歳)
マ ン ガ ンの栄養所要量
所要量(mg) 許容上限摂取量
(mg)
男    女
0〜 (月) 0.003
6〜 (月) 1.2
1〜2 1.8
3〜5 2.5
6〜8 3.0    3.0
9〜11 3.5    3.0
12〜14 3.5    3.0
15〜17 4.0    3.0
18〜29 4.0    3.0 10
30〜49 4.0    3.5 10
50〜69 4.0    3.5 10
70以上 3.5    3.0
妊婦      +0 10
授乳婦      +0 10
第6次改定日本人の栄養所要量



Copyright 2004-2005 Keiichi Tanaka. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.

 
リン
 キウイフルーツやイチゴなどに多く含まれているリンは、生体内の生理機構の中で主役的な役割を果たしている元素の一つです。カルシウムと結合して骨格などの硬組織を形成しています。細胞内では、エネルギーの生成をに関与しています。
鉄: ウメやオウトウ、アンズに多く含まれている鉄は、日常生活で不足しがちなミネラルです。思春期の女子や、慢性出血、スポーツで溶血が亢進した成人に鉄欠乏性貧血がみられます。妊娠可能な女性は、鉄の損失を補う目的で一日12mgの摂取が、妊婦及び授乳婦は、さらに8mg余分に摂取することが推奨されています。ビタミンCが非ヘム鉄の吸収を促進することはよく知られていますが、これは三価の鉄を二価の鉄に還元すると同時に、二価の鉄とキレートを形成して、溶解度を高めるためであると考えられています。鉄はビタミンCと同時に摂取するのが効率的なので、果物から鉄を摂取するのは有効な摂取法です。


年 齢
(歳)
リ ンの栄養所要量
所要量(mg) 許容上限摂取量
(mg)
0〜 (月) 130
6〜 (月) 280
1〜2 600
3〜5 700
6〜8 900
9〜11 1,200
12〜14 1,200
15〜17 1,200
18〜29 700 4,000
30〜49 700 4,000
50〜69 700 4,000
70以上 700
妊婦 +0 4,000
授乳婦 +0 4,000
第6次改定日本人の栄養所要量



Copyright 2004-2005 Keiichi Tanaka. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.

 
カルシウム
 イチジクやキウイフルーツなどに多く含まれているカルシウムは、日常生活で不足しがちなミネラルの一つです。心臓の伸縮などの筋肉収縮や神経機能の働きを助け、骨を形成し、老化による骨の萎縮化による骨粗しょう症を予防し、血圧を下げる効果も期待できます。


年 齢
(歳)
カルシウムの栄養所要量
所要量(mg) 許容上限摂取量
(mg)
 男   女
0〜 (月) 200
6〜 (月) 500
1〜2 500
3〜5 500
6〜8  600   600
9〜11  700   700
12〜14  900   700
15〜17  800   700
18〜29  700   600 2,500
30〜49  600   600 2,500
50〜69  600   600 2,500
70以上  600   600
妊婦      +300 2,500
授乳婦      +500 2,500
第6次改定日本人の栄養所要量



Copyright 2004-2005 Keiichi Tanaka. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.

 
カリウム

 カリウム摂取量は、高血圧予防の観点から、15歳以上では3500mg/日とすることが望ましく、食塩摂取量は、150mg/kg/日未満とし、15歳以上では10g/日未満とすることが望ましいとされています。


年 齢
(歳)
カリウムの栄養所要量
所要量(mg)
男      女
0〜 (月) 500
6〜 (月) 700
1〜2 900
3〜5 1,100
6〜8 1,350    1,200
9〜11 1,550    1,400
12〜14 1,750    1,650
15〜17 2,000    2,000
18〜29 2,000    2,000
30〜49 2,000    2,000
50〜69 2,000    2,000
70以上 2,000    2,000
妊婦       +0
授乳婦       +500
第6次改定日本人の栄養所要量



Copyright 2004-2005 Keiichi Tanaka. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.

 
亜鉛

 メロンやビワなどに多く含まれている亜鉛は、身体の蛋白質、炭水化物、脂肪の吸収を助けるミネラルです。


年 齢
(歳)
亜 鉛の栄養所要量
所要量 (mg) 許容上限摂取
(mg)
男    女
0〜 (月) 1.2*
6〜 (月) 4
1〜2 5
3〜5 6
6〜8 6     6
9〜11 7     7
12〜14 8     8
15〜17 10    9
18〜29 11     9 30
30〜49 12    10 30
50〜69 11    10 30
70以上 10     9
妊婦      +3 30
授乳婦      +3 30
*人工乳の場合は3mg/day
第6次改定日本人の栄養所要量



Copyright 2004-2005 Keiichi Tanaka. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.






果物の機能性成分へ戻る


生活習慣病予防へ戻る



Copyright (C) 2004-2005 Keiichi Tanaka. All Rights Reserved.