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 ■ 健康情報 Health today 2004下半期

       2004/12/26
 バランスの取れた食生活に向けた「食生活指針」を広く普及するため、農水省は、フードガイド(仮称)づくりに着手したと日本農業新聞が伝えている(12/25)。各食品の望ましい摂取量を料理で具体的に図式化する。新基本計画づくりに合わせ、来年3月末までの完成を目指す。野菜不足や塩分、脂肪の取り過ぎなど、現在の食生活を改善するのに「何を」「どれだけ」食べればいいか、ひと目で分かる絵をつくるという。米国のフードガイドピラミッドを参考に、主食類、主菜類、副菜類、果物に分けて構成する考えとのことである。
 検討委員会資料は下記。
 http://www.maff.go.jp/food_guide/1_itiran.htm
 上記資料を見ると相変わらず果物の位置づけは低い。野菜と果物は同等であるとすべきであると思う。


2004/12/11
 日経新聞NIKKEIプラス1 12面にリンゴの生活習慣病が取り上げられ、私たちの「リンゴ摂取で中性脂肪が減る」「リンゴでアレルギー予防」が取り上げられました。お近くに日経新聞がありましたらお読みください。


2004/12/09
 国連食糧農業機関(FAO)は、世界の食料不安に関する年次報告書を発表し、毎年500万人以上の子供が飢えのために死亡していると報告した。「5秒に1人」が死亡している計算で、食糧事情の改善が必要だと訴えている。
 報告書によると、2000─02年で飢えに苦しむ人の数は約8億5200万人に達し、1990年代半ばから1800万人増加した。96年の世界食糧サミットで、2015年までに飢えに苦しむ人を半減させる目標を設定したが、90─92年に比べて900万人しか減っていないと指摘している。 特に、中国とインドでの問題悪化に言及している。
 また、飢えや栄養不足により、年間約300億ドル(約3兆1000億円)の医療費が掛かると試算。飢餓問題の解決は、国にとっても良い投資になるとして、問題解決に向けて各国が積極的に取り組むよう促している。
 FAOのプレスリリースのサイトは下記。
 http://www.fao.org/newsroom/en/news/2004/51809/index.html


2004/12/08
 睡眠時間と食欲との関係についてヒト介入研究と疫学調査の2つの研究についてCNNなどが伝えている。

[ヒト介入研究]
 米シカゴ大学のグループは、20代前半の健康な男性12人を対象に、4時間睡眠を2日続けた後、10時間睡眠を2日続けた後、食欲に関係するレプチンとグレリンの血中濃度を測定した。レプチンは満腹中枢を刺激する働き、グレリンは食欲を促す作用がある。この結果、4時間睡眠を2日続けた場合、レプチンの濃度が18%減少し、グレリンは28%増加したことが分かった。 4時間睡眠の後のグレリンの濃度は、9時間寝た後と比べ71%も多かったという。 また、睡眠時間を減らした場合、キャンディーやケーキなどの甘いものやでんぷん質の食物をより多く取る傾向がみられた。その理由として、睡眠不足で疲労がたまると、脳がブドウ糖で満たされるため、体が純粋に糖類を欲しがるのではと推測している。睡眠時間の長さは、2種類のホルモンの増減、空腹感の強さと関係することが明かとなった。

[疫学調査]
 米スタンフォード大学のグループは、1000人を対象に実施した調査から、いつも5時間以下の睡眠しか取らない人は、常に8時間寝る人に比べ、グレリンの濃度は平均で14.9%多く、レプチンは15.5%少なかったと報告している。また、肥満度の指標であるBMI指数を使って統計をまとめたところ、睡眠時間の少ない被験者の方が、体重が多かったとのことである。

 ヒト介入研究と疫学調査の結果が一致したので、睡眠時間と空腹感との間にはかなり強い関係があると言える。


2004/12/05
 胎児のエコー診断に使われる超音波は、脳梗塞(こうそく)の治療にも威力を発揮することが、米テキサス医科大などの研究で明らかになった。この研究は、カナダ、スペインとの共同チームの成果で医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンの最新号に報告された。
 脳梗塞発症直後の患者126人に脳に超音波を当てる治療を試したところ、2時間以内にほぼ半数の患者で、血流の回復や症状の改善がみられた。
 超音波は脳梗塞の診断によく使われるが、最近は治療効果にも期待が寄せられている。しくみは解明されていないが、血栓付近の血液をかきまぜ、薬の効果を高めるのではないかとのことである。





2004/11/29
 オリーブオイルの成分に心臓病を予防する一定の効果があることを米食品医薬品局(FDA)が認め、商品ラベルで効能をうたうことを許可している。 (The Food and Drug Administration (FDA) today announced the availability of a qualified health claim for monounsaturated fat from olive oil and reduced risk of coronary heart disease (CHD).: 2004/11/1)
 総カロリーが増えない範囲内で動物性脂肪などの代わりにオリーブ油を食べれば、心臓病のリスクが減らせるとしている。オリーブオイルに豊富に含まれる一価不飽和脂肪酸(オレイン酸)が良い働きをする。
 http://www.fda.gov/bbs/topics/news/2004/NEW01129.html


2004/11/26
 食生活などがかかわる2型糖尿病で、肥満男性に比べてなりにくいとされるやせた男性でも、飲酒量が増えるにつれて発症の危険性は高まることが、厚生労働省研究班の大規模疫学調査で分かった。その理由として、やせた人には、血糖値を抑えるインスリンの分泌能力が弱い人が多いこと、また、長期の飲酒も分泌能力を下げることから、両者が複合しておきるとしている。そのため、ほかの病気への影響も考慮し、日本酒に換算し1日1合を超える飲酒習慣には注意が必要としている。
 下記のサイトに結果が示されている。
 http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/20/inshu_dm.html


2004/11/25
 今冬(平成16年度)のインフルエンザ予防の標語は「栄養、睡眠、予防接種で三位一体」と決まった。インフルエンザワクチンについては、昨シーズン使用量の1.4倍となる2,061万本(1mL換算)の供給が予定されており、そのうち100万本のワクチンを不足時の融通用として確保することとしているので不足はおきないと予測されている。
 インフルエンザ総合対策のサイトは下記
 http://www.mhlw.go.jp/houdou/0111/h1112-1.html
 インフルエンザのQ&Aのサイトは下記。大変参考になる情報がたくさん掲載されている。
 http://www.mhlw.go.jp/houdou/0111/h1112-1c.html


2004/11/24
 平成17年度から平成21年度の5年間使用する「日本人の食事摂取基準(2005年版)」が厚生労働省から発表された(下記サイト)。今までは「第○次改定 日本人の栄養所要量−食事摂取基準−」としていたが名称も変更された。
 http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/11/h1122-2.html
 生活習慣病予防に重点をおき、以下の栄養素について新たな指標「目標量」を設定した。
 ・ 増やすべき栄養素
  食物繊維、n-3系脂肪酸、カルシウム、カリウム
 ・ 減らすべき栄養素
  コレステロール、ナトリウム(食塩)
 ・ 脂質については、脂肪エネルギー比率のみならず、その質も考慮する必要があり、飽和脂肪酸、n-3系脂肪酸、n-6系脂肪酸、コレステロールについても策定した。

 食事摂取基準とは、健康な個人または集団を対象として、国民の健康の維持・増進、エネルギー・栄養素欠乏症の予防、生活習慣病の予防、過剰摂取による健康障害の予防を目的とし、エネルギー及び各栄養素の摂取量の基準を示すものである。


2004/11/23
 厚生労働省の薬事・食品衛生審議会表示部会は、「アレルギー物質を含む食品に関する表示について」検討報告書(食品の表示に関する共同会議報告書No.4:発表サイトは下記)を公表している。
 この調査の結果をみると、特定原材料5品目(小麦、そば、卵、乳、落花生)で全アレルギー発症数の約70%(全3840件中2702件)、全ショック発症数の約75%(318/424)を占めている。また、発症数の視点から表示を義務づけた鶏卵、牛乳・乳製品及び小麦については、それぞれ全アレルギー発症数の約39%(1486/3840)、約16%(616/3840)、約8%(311/3840)であり、症状の重篤性の観点から表示を義務づけたそば、落花生は、それぞれ全ショック発症数の約7%(28/424)、約4%(18/424)である。
 今回の結果をふまえ、厚生労働省は、卵、乳、小麦、ソバ、落花生の特定原材料5品目(食品衛生法表示義務)の維持と、サバ、大豆など表示を推奨する19品目に、新たにバナナを加えた。

 食品の表示に関する共同会議報告書No.4は下記のサイトで見られる。
 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/07/s0723-12.html


2004/11/22
 睡眠時間が短い人ほど太る傾向が強いとアメリカ・コロンビア大学とセント・ルーク−ルーズベルト病院のチームがまとめ米肥満学会で発表したと内外のメディアが伝えている。
 1万8000人(32〜59歳)のデータを分析した健康栄養調査(NHANES: The federal government's National Health and Nutrition Examination Survey)によると、睡眠が7〜9時間の人に比べ、4時間以下しか眠らない人は73%も肥満のリスクが高かった。睡眠5時間程度の人でも50%、6時間程度では23%、それぞれ太りやすかった。 起きている時間が長ければ食べ物を口にする機会も多く、こうした体内状態が食べ物の摂取を促進するらしい。起きている時間が長いと消費カロリーも多いものの、摂取が消費を上回っていることが、今回の大規模な調査から明かとなった。
 NBCのサイトは下記
 http://www.msnbc.msn.com/id/6504280


2004/11/21
 長野県立須坂病院、長野女子短期大学と長野県農村工学研究所の研究グループは、リンゴを毎日1個以上食べると血液がさらさらになることを明らかにしたと日本農業新聞(04/11/16付)が伝えている。女子短大生22人を対象に、1日1個食べるグループと2個相当のジュースを飲むグループに分け、1週間摂取してもらって摂取前と後、摂取後1週間の血流速度を調べた。その結果、リンゴを食べたグループの血流速度は12%ほど速くなっていた。また、食べるのをやめて1週間後には元の速さに戻っていた。りんごジュースの場合も同じ傾向だったが、改善効果はリンゴを食べたグループを上回ったとしている。


2004/11/21
 厚生労働省の検討会は、高齢者などの痴呆症の呼び名を今後は「認知症」とする方向で一致した。痴呆症の持つマイナスイメージを払しょくするためで、十二月末の検討会で最終的に決めるとしている。
 「痴呆」に替わる用語に関する検討会『第2回資料』は下記のサイトで見られる。
 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/09/s0901-3f.html
 「痴呆」に替わる用語の検討についての検討経過は下記のサイト
 http://www.mhlw.go.jp/topics/2004/10/tp1001-5.html


2004/11/19
 毎日1個のリンゴが、アルツハイマー病など痴呆(ちほう)の予防に役立つ可能性があると読売新聞が報じた(04/11/18付け)。アメリカ化学会の専門誌の来月1日号に掲載されるという。詳細が分かり次第本サイトや「果物&健康NEWS」に掲載する。
 米コーネル大などの米韓共同チームによると、リンゴには高い抗酸化作用を持つ物質ケルセチンが多く含まれている。抗酸化物質には、アルツハイマー病の進行や脳細胞の老化などから、細胞を守る効果があるとされ、抗酸化力の高いケルセチンが特に注目されている。そこで、マウスの脳細胞を過酸化水素にさらした状態でケルセチンの効果を調べた結果、抗酸化作用が高いとされるビタミンCよりも明確に高い効果が確認された。 そのため、研究チームは、実験結果をもとにした目安として、「リンゴを1日あたり少なくとも1個食べれば体内の一定量が確保できる」としている。


2004/11/09
 健康日本21は今までのところあまりうまくいっていないようだ。特に食生活の面での改善が遅れているように見える。今後、この運動は、厚生労働省だけで進めるのではなく、文部省、農林水産省との連携を図る必要があるのではないか。


2004/11/08
 2010年までの国の健康づくり10カ年運動「健康日本21」(2000年スタート)で掲げた健康状態や食生活など70項目の目標の達成度を調べたところ、調査中の項目もあるが20項目で悪化した(中間評価)。
 現状と目標値を比較したところ、1日に食べる野菜は292グラムから285グラム(同350グラム以上)に減少、日常生活の歩数は男性が8202歩から7676歩(目標9200歩以上)に、女性も7282歩から7084歩(同8300歩以上)に減った。
 肥満の割合では、20〜60歳代の男性で15%以下にする目標を立てたが、97年の栄養調査の24%から02年には29%と悪化。女性は40〜60歳代で20%以下を目標にしたが、25%から26%と悪化した。20歳代女性では、やせすぎの人が23%から27%に増え、目標の15%以下から遠のいた。
 さらに、肥満や糖尿病の患者数が増え、運動量が減っていることから厚生労働省は悪化した項目について重点的に取り組むとしている。

「健康日本21 」における目標値に対する暫定直近実績値は下記のサイトに掲載されている。
http://ml-www.kenkounippon21.gr.jp/kenkounippon21/ugoki
/houkoku/pdf/0410mokuhyou_zanteiti.pdf


 
2004/11/07 pm6:30
 工場に搬入され、傷ついた原料用の国産リンゴからカビ毒である「パツリン」が検出されたことが7日、東京都健康安全研究センターの調査で分かった(共同通信など)。
 国内では、市販の外国産リンゴ果汁からパツリンが検出された例があるが、国産リンゴの果実から見つかったのは初めてである。パツリンが検出されたのは、ジュースに加工する前のリンゴの傷んだり腐ったりした部分からで、実際に果汁原料に利用され、リンゴジュースなどに製品化される可能性は低い。また、過去に行われたリンゴ果汁におけるパツリンの汚染実態調査の結果、国産市販リンゴジュース製品42件、濃縮果汁8件からはパツリンは検出されなかった(下記農林水産省プレスリリース参照)。
 さらに、リンゴジュースに含まれているパツリンの法律による規制についてはすでに平成16年6月1日から施行されており、国内産のリンゴジュースの検査は、都道府県の検査機関によって行なわれており、安全性が確保されている。

政府におけるリンゴ果汁に対するパツリン対策
 平成14年12月25日付け農林水産省生産局プレスリリース:「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食品規格・毒性合同部会におけるりんご果汁に係るかび毒(パツリン)に関する検討結果を踏まえた農林水産省の対応について」は下記のサイトで見られる。
http://www.maff.go.jp/www/press/cont/20021225press_3.html

 リンゴ加工品に係るパツリンに関する規格基準の設定については、平成15年6月27日付け、厚生労働省薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会議事録は下記のサイトで見られる。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/06/txt/s0627-3.txt

農林水産消費技術センターによるパツリンについての解説等(2004.5.27)
http://www.hiroba-cfqlcs-go.jp/magazine/backnumbers/No46.htm

神戸市環境保健研究所によるパツリンの解説
http://www.city.kobe.jp/cityoffice/18/menu03/h/kanken
/shokuhin/mamechishiki/paturin/patulin7.htm


用語解説
 パツリン
 パツリンとは、青かびの一種であるPenicillium属、Aspergillus属等のかびが作り出すかび毒であり、リンゴ果汁を汚染することが知られている。パツリンは熱安定性が高く、酸性条件でも安定であり、ジュースへの加工行程を経ても残存する。これらのかびは収穫、包装、輸送時等に受けた損傷部から侵入するとされている。
 コーデックス委員会(FAO/WHO合同食品規格委員会)では、50ppbの最大基準値が採択されている。 また、欧州諸国を中心にりんご果汁等を対象に規制値も、そのほとんどが50ppbである。
 わが国では、平成16年6月1日に、食品衛生法に基づく清涼飲料水の成分規格としてリンゴジュース及び原料用リンゴ果汁について、パツリンの規格(50ppb)が施行されている。
 パツリンについては、長期毒性として、体重増加抑制等の症状が認められている。また、急性毒性として、消化管の充血、出血、潰瘍等の症状が認められている。 なお、国際がん研究機関(IARC)では、パツリンをグループ3と評価し、人に対する発がん性については、分類できないものとしている。

パツリン
分子式:C7H6O4 分子量:154.0266 融点:110〜112℃
λmax:276nm(ε:14,600)/エタノール
安定性:熱安定、酸性下で安定、アルカリで不安定






2004/10/30
 厚生労働省が発表した平成15年人口動態統計(確定数)の概況は以下の通りである(04/9/4発表)。

1 出生数は減少
 出生数は112万3610人で、前年の115万3855人より3万245人減少し、 出生率(人口千対)は8.9で、前年の9.2を下回った。合計特殊出生率は1.29で、前年の1.32を下回った。

2 死亡数は増加
 死亡数は101万4951人で、前年の98万2379人より3万2572人増加し、死亡率(人口千対)は8.0で、前年の7.8を上回った。悪性新生物(ガン)の死亡数は30万9543人、死亡率(人口10万対)は245.4で、死亡総数の30.5%を占めており、死因順位の第1位となっている。第2位は心疾患、第3位は脳血管疾患となっている。年齢調整死亡率(人口千対)は男6.0、女3.0で、男女とも前年と同率であった。

3 自然増加数は減少
 自然増加数は10万8659人で、前年の17万1476人より6万2817人減少し、自然増加率(人口千対)は0.9で、前年の1.4を下回った。

4  死産数は減少
 死産数は3万5330胎で、前年の3万6978胎より1648胎減少し、死産率(出産(出生+死産)千対)は30.5で、前年の31.1を下回った。

5  婚姻件数は減少
 婚姻件数は74万191組で、前年の75万7331組より1万7140組減少し、婚姻率(人口千対)は5.9で、前年の6.0を下回った。

6  離婚件数は減少
 離婚件数は28万3854組で、前年の28万9836組より5982組減少し、離婚率(人口千対)は2.25で、前年の2.30を下回った。

詳細は下記のサイトに掲載されている。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei03/index.html


2004/10/17
 英オックスフォード大学トリニティ・コレッジのジョン・スタンレー博士は、忙しいビジネスパーソン向けの昼食メニューを考え出した。
 午後の会議前には、チキン・ティカ・マサラにマンゴソースがかかった、全粒粉パンのサンドイッチを勧めている。鶏肉のたんぱく質が脳の神経伝達物質の合成を助け、すっきりと起きていられるほか、疲れに効くビタミンやミネラルも含んでいるという。
 仕事前後にスポーツ・ジムで汗を流すなら、リンゴとピーナツバターを全粒粉パンにはさんだサンドイッチがいいという。低インシュリン・ダイエットで知られるようになった、血糖値の上昇率を食品ごとに測定したGI値(グリセミックインデックス値)が低く、運動中に安定したエネルギー供給が可能なためだ。
 一晩中お酒を飲んだ翌日に働く場合、朝食には全粒粉パンにチョコレートとバナナをはさんだホット・サンドイッチ。血糖値とミネラル分の回復に役立ち、二日酔いの解消になるとしている。
 ストレスが多く疲れやすいマネージャーには、夜よく眠れるよう、伝統的なスモーク・ターキーとクリームチーズのサンドイッチ。ターキーに含まれる必須アミノ酸のトリプトファンが、抗うつ剤として使われ安定感をもたらすとされるセロトニンの脳内分泌を促し、クリームチーズに含まれるカルシウムとビタミンB12が、睡眠パターンを調節する神経伝達物質を作るからだという。
 ハードな1日を終えて、力があまり残っていない人には、イチジクにハチミツ、オレンジとリコッタ・チーズを、厚めの白パンにはさんだサンドイッチがよいという。古代ギリシャではイチジクは精力増強剤として使われ、中世ヨーロッパではハチミツは愛情を高める薬として使われていた。スタンレー博士はこの2つを組み合わせたサンドイッチは、先人の知恵を現代流にアレンジしたものだと話している。

上記ニュースはイギリスパン協会のサイトにある。
http://www.bakersfederation.org.uk/pr_latest_a.aspx?id=32


2004/10/16
 日本高血圧学会が第27回総会で高血圧治療ガイドラインを4年ぶりに改定した(毎日新聞04/10/10、日本農業新聞04/10/14)。高血圧を予防するため、食塩の制限を1日6グラム未満と、これまでの7グラム以下から、より強化された。さらに、野菜・果物を積極的に摂取する項目を追加した。また、65歳以上では目標とする最高血圧を140未満とし、高齢者といえども血圧の重要性を強調している。若年・中年者は130未満で変更はない。高血圧は、脳卒中、心臓病の引き金となり、死因の原因として大きな位置を占める。同学会は「高血圧患者は厳重な血圧管理をし、日ごろから塩分を控え、野菜・果物を積極的に取る必要がある」と、注意を促している。
 秋には、改訂版が出版されるとのこと、全容が明らかになった時点で詳しく報告したい。


2004/10/15
 昨日に引き続いて乳幼児の死亡率についてユニセフの報告書をさらに詳しくみてみたい。日本の新聞やテレビなどではあまり伝えられていないが悲しい現実がある。
 報告書によると、02年に5歳未満で死亡した乳幼児の割合は、世界平均で12人に1人。新生児医療の遅れや栄養失調、マラリアなどの病気が主な死因とみられ、死亡例の半数をサハラ砂漠以南のアフリカ諸国が占めた。 中でも最悪の数字を記録したのはアフリカ西部のシエラレオネでは、5歳未満児1000人当たり284人が死亡していた。この国では、5歳になる前に4人に1人以上の子どもが死亡している。これにニジェール(同265人)、アンゴラ(同260人)が続き、4位はアフガニスタン(同257人)だった。逆に、最も死亡率が低かったのはスウェーデンで1000人当たり3人。日本は同6人、米国は同8人だった。
 乳幼児死亡率が高い国では何が悪いのか?それは、出産時の環境が不適切であるためで、母親・妊産婦への保健医療サービスが殆ど、あるいは、全く整備されていなかったり、出産に熟練した助産婦が足りないためと報告書は指摘している。下痢や肺炎などの急性呼吸器疾患に続き、マラリアやはしかなどの感染症や寄生虫症が、大きな死亡原因になっている。急性呼吸器疾患や下痢は、乳幼児の死因の3分の1を占めている。
 また、死亡原因の根底には栄養不良の蔓延がある。死亡した乳幼児の半数以上が栄養不良状態であった。不衛生な飲料水や不十分な衛生状態も子どもの死の原因の一つである。
 年間の改善率がマイナスになってしまった国もある。サハラ以南のアフリカ地域や独立国家共同体(CIS)の一部の国々では1990年より子どもが5歳の誕生日を迎えることが難しくなっている。
 サハラ以南のアフリカ地域では、HIV/エイズが、乳幼児死亡率の主な要因の一つとなっている。乳幼児死亡率の上昇が、ボツワナが世界で2番目、ジンバブエが3番目、スワジランドが4番目に高いが、これらの国ではHIV/エイズの罹患率がそれぞれ37%、25%、39%と世界で最も高い国だからである。乳幼児死亡率の急上昇に影響を与えている他の要因として、イラクやアフガニスタンなどに見られる武力紛争や社会不安の存在が挙げられる。


2004/10/14
 世界は「子どもの命を守る」約束を果たしていない−と、国連本部でユニセフが乳幼児死亡率について報告書を公表した(04/10/07)。
 2000年、ニューヨークで開かれた「ミレニアム・サミット」で約束された「2015年までに乳幼児死亡率を3分の2削減する」の目標に98カ国が到達していない。予防接種のように、低コストで効果が実証された方策があるにもかかわらず、子どもたちの死亡率の削減が遅々として進んでいない。90カ国は、2015年までに乳幼児死亡率を3分の2に削減する目標を達成できるものの、他の98カ国は、達成できる状況になく、また世界全体を見ても、改善の速度があまりにも遅すぎるとユニセフは訴えている。
 改善速度が現在のままだと、5歳未満児死亡率は世界平均で、2015年までにおよそ4分の1しか削減されない。この数値は、「ミレニアム・サミット」で世界の指導者たちが合意した目標に遠く及ばない。
 「子どもの生きる権利は平等、可能性、そして自由をはかる第一の指標です」と、ユニセフ事務局長のキャロル・ベラミーは述べている。「すばらしい技術と医学の時代に、子どもたち、特に貧しい人々や社会の周辺に追いやられた人々の生存が危機にさらされていることは信じがたいことです。私たちは、現状をもっと良くすることができるはず」と述べている。
 「子どもの死亡率を改善する手段を、世界はすでに手にしています。問題はそれらの手段を行使しようという意志があるか否かです」。「ワクチン、ビタミン剤、殺虫剤を染み込ませた蚊帳は高価なものではありませんが、何百万人もの子どもたちを救うことができます。しかし、これら簡単な命を守る道具や手段さえ、すべての子どもたちの手に行き渡っていません。これこそが変えてゆかなければならない状況です。子どもたちの状況の改善がほとんど進まないまま、10年間を手をこまねいて見過ごすことは、もう、どの政府にも許されません。世界の指導者たちは、合意した目標の達成に責任を持たなければいけません」と訴えている。

 ユニセフの報告書は下記のサイトにある。
 ttp://www.unicef.org/media/media_24252.htm


2004/10/07
 リンゴのポリフェノールに筋力増強や脂肪を減少させる効果があることをアサヒビールと日体大のグループが、マウスを使って明らかにしたと読売新聞(2004/10/04)が伝えている。
 リンゴポリフェノールを5%混ぜた固形エサを3週間与えたマウスと、普通の固形エサを与えたマウスを比較した。その結果、ポリフェノールを食べたマウスは、筋力が16%高く、内臓脂肪は27%少なかったという。今後、ヒトでも同様な効果が得られるのかどうか検討する必要がある。


2004/10/02
 がんによる死亡の決定的因子は、リンパ節転移と遠隔転移である。がん細胞は、転移するとき自分でリンパ管を新しく作る(「リンパ管新生」)。京都大大学院の久保肇助教授らのグループは、この「リンパ管新生」を抑えて転移を防ぐことに世界で初めて成功し、福岡市で開会中の日本癌学会で報告したと読売新聞が伝えている(読売新聞04/10/01)。
 研究チームは、がん細胞が分泌するVEGF-C(リンパ管新生因子)という特殊な物質を、リンパ管が受け取って増殖しないようブロックする抗体を合成し、胃がんの細胞をネズミに移植して実験したところ、抗体を使わなかったネズミでは16匹中12匹(75%)の高率でリンパ節に転移したのに対し、抗体を使ったネズミは16匹のうち3匹(19%)しか転移しなかった。
 久保助教授グループのホームページは下記。
http://sentan1.hmro.med.kyoto-u.ac.jp/teams/index_kubo.html





2004/09/22
 帝京大の山崎正利教授のグループは、バナナ、スイカ、ブドウ、ナシが、動物実験で免疫増強剤並みに白血球を活性化することを、29日から始まる日本がん学会で発表すると日本農業新聞が伝えている(2004/9/22)。山崎教授は「白血球が増えると動脈硬化やがん、糖尿病などの予防につながるので、1日に200グラムの果物を食べるように」と勧めている。


2004/09/19
 9月14日、百歳長寿者に対する祝状及び記念品の贈呈について厚生労働省老健局から発表になった。本年度中に百歳に到達する人(明治37(1904)年4月1日から明治38年3月31日の間に生まれた者)は、国内 11,867人(対前年1,168増)、うち男性 1,991人(対前年161増) 、女性9,876人(対前年 1,007 増)で、海外在留邦人 44人(対前年3増)、うち男性 12人(対前年 5増) 、女性32人(対前年2減)となり、合計で11,911人(対前年1,171増) 、うち男性2,003人(対前年 166 増)、女性9,908人(対前年 1,005 増)となった。
 その結果、百 歳以上の長寿者は、昨年に比べ2 ,477人増加し23 ,038人となった。このうち、女性が19 ,515人となっており、全体の8 割以上を占めている。小山ウラさん(女)が114歳(明治23年8月30 日:福岡県飯塚市)で、長寿日本一である。

http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/09/h0913-2.html

日露戦争:明治37(1904)年2月6日に始まり、明治38(1905)年9月5日に収束
国会開設:明治23(1890)年
大日本帝国憲法(明治憲法)発布:明治22(1889)年、東アジア初の成文憲法


2004/09/01
 若い牛でも牛海綿状脳症(BSE)の感染を判別できる技術が開発されたと日本農業新聞が伝えている(04/08/29付け)。
 「異常プリオン」の発見でノーベル賞を受賞したカルフォルニア大スタンリー・プルシナー教授のグループが、月齢の若い牛でも感染を発見できる新しい検査手法を開発した。この新しい手法は特殊な試薬を加えることで、異常プリオンを壊さずに区別できる画期的な方法なので、「生きた牛でも感染が見つけられる可能性があるとしている。今までは、解体した牛に対する判別方法だったので、これが実現するとBSEに対する対策が変わる可能性がある。また、日米で協議している牛肉の対日輸出再開交渉にも影響が出ると考えられる。





2004/08/25-26
 アメリカ厚生省の研究チームが、アメリカの成人の3人に1人(約6500万人)が、高血圧状態にあるとの調査結果を発表した。10年前と比べて約30%増加していた。
 健康と栄養に関する1999-2000年の調査結果を基に、1988-1994年の調査結果を参考にした推定では成人の28.9%が高血圧だったが、今回の調査では31.3%に増えた。(CNN:8/23)
 高血圧の傾向は男女に関係なく、加齢とともに増加した。人種別では、白人やヒスパニック系の高血圧者は10人に3人の割合だったが、黒人では10人に4人だった。さらに、高血圧を自覚している人は、高血圧者のうち3人に2人にとどまり、治療を受けているのは3人のうち1人に過ぎない。
 調査主任のラリー・フィールズ(Larry E. Fields)博士は、「高血圧によって、心臓疾患や腎不全の可能性が高くなる」と指摘している。「定期的に血圧を調べ、もし血圧が上がったら、すぐに治療を受けることが必要だ」と話している。
 心臓病・脳卒中の原因となる高血圧を予防することは日本においてもますます重要性が増すと考えられる。DASH摂取プランを参考に、日本人のための高血圧予防のための摂取プランを作る必要がある。

http://www.cnn.com/2004/HEALTH/conditions
/08/23/blood.pressure.ap/index.html



2004/08/21
 ガンの発生率と体格指数(BMI)との関係について全国の40〜60代の男女約9万人(男42,093人、女46834人)を追跡調査した結果、男性でBMIが23.0〜29.9の人では、がん発生率がほとんど変わらなかった。しかし、やせ形になるに従って発生率は上昇し、発生率の最も低いBMI23.0〜24.9と比較すると、BMI19.0〜20.9では14%、最もやせていたBMI14.0〜18.9だと29%発生率が高くなった。また、最も太っていたBMI30.0〜39.9の発生率は22%高かった。一方、女性ではやせた人に顕著な発生率の増加はみられなかったと国立がんセンターのグループが発表した(Inoue M, et al. Cancer Causes Control. 15:671-680. (2004))。
 この研究は、新聞発表もされたので多くの個人サイトでもニュースとして載せているが、ニュースの元にあたる文献にふれたサイトは調べた範囲でなかった。くだもの・科学・健康ジャーナルでは、ニュースを鵜呑みにしないために文献検索サイトを紹介している。サイエンス欄の科学情報の無料検索サイトのパブメドから検索してみてほしい。
 キーワードとして「BMI Japanese Cancer Causes Control 2004」を入力すると最初に上記の論文が出てくる。


2004/08/17
 髪の毛は毛嚢(もうのう)から作られるが、毛嚢が失われると、そこから毛髪は生えなくなる。最近、毛嚢の再生についての研究が発表された(Nature Biotechnology 22(4):411-7. (2004))。マウスから「幹細胞」(様々な組織の細胞に分化する機能をもった細胞)を分離し、皮膚細胞と混合してマウスの皮膚にもどしたところ、それが毛嚢に成長し、毛が成長してきたと報告している。この研究は、なくなってしまった毛嚢が再生されたとするだけではなく、脱毛のメカニズムの解明や治療に新しい展望を開く成果である。
 「幹細胞」の様々な働き、可能性についてはいつか報告したい。


2004/08/16
 アメリカの研究チームが、赤身の肉や精白小麦粉、砂糖を多く摂取する西欧型食生活グループと、果物、野菜、魚、豆類、全粒穀物を多く摂取する食生活グループとを比較したところ、西欧型食生活をしているグループの脳卒中発生リスクは、統計的に有意に高いとオンラインジャーナルで発表した(Stroke 2004, doi:10.1161/01)。
 7万1千人以上の看護婦を対象に実施されたこの調査は、総合的な食事パターンと脳卒中の発生リスクを検証したものとしては初めてであると述べている。

 すでに、赤身の肉など動物性脂肪の摂取が多く、食物繊維や果物、野菜の摂取が少ない食生活をしていると、心臓病や糖尿病、ガン、肥満の発生リスクを高めるとされていたが、脳卒中も同じであることが証明された。


2004/08/13
 糖尿病患者が増加しつつあるが、患者の増加数と精白炭水化物の消費量の増加とが一致するとする研究が報告された(Am. J. Clin. Nutr. 79: 774-779 (2004 ))。

 ハーバード大学のグループは、1909年から1997年までの食品の消費量と糖尿病発病率とを比較した結果、摂取カロリーが増大するにつれて糖尿病も増加していくことを報告した。この結果は、肥満が糖尿病のリスクを高めるという考えと一致している。 さらに、この報告では、食物繊維量が減少していることと、精製炭水化物(コーンシラップなど)の摂取量が多いほど糖尿病を発症するリスクが高くなることを明らかにした。

 ただし、この報告は、精製炭水化物が糖尿病増加の原因であることを完全に証明しているわけではない。しかし、この報告は、今までの研究報告と一致している点が多いので、糖尿病研究のリーディングペーパーとして各国の研究者によって検証されると思う。

 現在、糖尿病予防のため、栄養学者の多くは、精製された炭水化物を避け、代わりに食物繊維の多い全粒穀粉の食事をとることを勧めている。また、食物繊維の供給源である果物や野菜をとり、運動の回数を増やすことも奨励している。
 この研究論文については、メルマガ「果物&健康NEWS」などで、さらに詳しく説明したいと思っている。


2004/08/11-12

 緑茶をよく飲んでいる女性は胃がんが少ないと厚労省の研究班が調査結果を発表した。(2004.8.4、毎日新聞、朝日新聞など)

 この研究は、全国7地域の男女約7.3万人(40-60歳)を、7-12年にわたって追跡して調べ、胃がんになったヒトと、ならなかったヒトの1日に飲む緑茶の飲量を比べた結果、1日当たり5杯以上飲む女性は、1杯未満の女性に比べて、胃がんになるリスクが33%低かった。また、胃の下部にがんができるリスクでは、1日5杯以上飲む女性は1杯未満の女性の約半分だった。しかし、男性では統計的な差がみられなかった(Cancer Causes Control. 2004; 15:483-491)。

 緑茶の胃がん予防効果について、初期の症例対照研究と呼ばれるヒトを対象とした疫学調査の多くが「効果あり」とする結果を発表していた。一方、2001年、宮城県民2 万 6 千人を9年間追跡したコホート研究では、緑茶をたくさん飲むグループでも胃がんリスクが減少しなかったと発表された(New England Journal of Medicine 2001; 344:632-636)。

 さらに、2002年、文部科学省研究班による7.3万人を対象に胃ガンの死亡率を8年間追跡調査したコホート研究では、緑茶を飲むと胃がんの死亡リスクが減るという関係は認められなかったと報告された(British Journal of Cancer 2002; 87:309-313)。

 緑茶と胃がんについてのこれまでの研究では、症例対照研究が「効果あり」とし、コホート研究では「効果なし」とされていた。症例対照研究は比較的調査が容易であるが、科学的信頼性がコホート研究に劣ることから緑茶の胃がん予防効果は疑問視されていた。今回のコホート研究結果は、緑茶側に有利な報告となった。しかし、男性で緑茶の効果がないことが気にかかる。

 従って、今回の研究報告で、緑茶が胃がんリスクを下げる作用があると結論できないが、可能性が高まったと言えると思う。さらに、他の大規模なコホート研究による検証やヒト介入研究などによる証明が必要だろう。


2004/08/09
 農林水産省から食料自給率(食料消費について国産でどの程度賄われているかを示す指標)が発表された。それによると平成15年度の食料自給率はカロリーベースでは40%で、6年連続の横ばいであった。45%が目標であるが、残念ながら上昇の兆しがみえない。

 主食用穀物自給率は60%、金額ベースの総合食糧自給率は70%、穀類(食用+飼料用)自給率は27%、飼料自給率は24%である。
 品目別自給率(重量換算)は、果実類44%(前年度44%)、みかん104%(98%)、りんご62%(63%)となった。

 他の品目では、コメ95%(96%)、小麦14%(13%)、豆類6%(7%)、野菜82%(83%)、牛肉39%(39%)、豚肉53%(53%)、魚介類50%(47%)であった。
 平成2年では、カロリーベースの食糧自給率が48%、果実類の自給率は63%である。つい最近まで、かなり高かったことになる。

 自給率=国内生産量/国内消費量×100

 食用自給率を含む食料需給表(平成15年度版)は下記のサイトで見られる(2004.8.6発表)
 http://www.kanbou.maff.go.jp/www/fbs/fbs-top.htm


2004/08/01
 (独)国立健康・栄養研究所の「健康食品」の安全性について解説したサイトを7/30に紹介し、納豆の説明に違和感があることを述べた。果物についても同様である。ブドウの解説にワインが含まれているが、食品として考えるなら、ワインは別のカテゴリーに分類する必要があるだろう。

 果物の摂取は、ガンや循環器系疾患など生活習慣病に有効であるとする科学的な証拠は蓄積しており、本年度のWHO総会でも、果物の摂取が推奨されている。ブドウを取り上げて、科学的証拠はないと論ずることの違和感は、こうしたところにある。

 別の例を上げよう。例えば、生活習慣病に有効な野菜なども、個別に取り上げて見れば、ほとんどの野菜で健康増進に有効であるとする科学的な証拠はない。日常摂取している食品で、科学的に評価された例は、ほんのわずかである。サイト制作者は意図していないと思うが、このサイトを見た消費者は、科学的に評価されていない野菜などは健康に寄与しないと考えてしまうのではなかろうか。

 ゲルマニウム、クマザサなど非食品や機能性成分と同列に、食品である納豆、ブドウなどを論ずることに、どうしても違和感がある。もちろん制作者は、『このサイトは「健康食品」の安全性について解説している』と述べている。「健康食品」の安全性を明らかにすることには賛成である。しかし、繰り返しになるが、やはり、「健康食品」と食品は分けて考える必要があると思う。





2004/07/30
 独立行政法人国立健康・栄養研究所が、「健康食品」の有効性、安全性、そして他の食品や医薬品との相互作用などの情報を下記のサイトに提示している。「健康食品」に関心のある方は、1度は見ておく必要のあるサイトである。まだ、立ち上げて日が浅いため、論文の引用には食品ごとに濃淡があり、今後の充実が期待される。
 ただ、「健康食品」と食品の区別がないため、このサイトで、効能がないとされた食品が、健康には何も有効ではなく、食べる必要はないと誤解されないかと心配である。例えば、納豆についていえば、豆類摂取のために重要な食形態であり、日本人の食生活において必要な食材である。特定保健用食品だけが健康に役立つわけではなく、むしろ多様な食材をバランスよく摂取する方がより健康に役立つと考えられる。
 「健康食品」に対する誤った情報に対して科学文献に基づく評価は極めて重要である。しかし、バランスのとれた食生活を実現するための食品としての重要性は別にあり、そうした情報を区別して、あるいは、分かりやすく提示する必要があるのではないかと思う。

 http://hfnet.nih.go.jp/main.php


2004/07/17
 厚生労働省が7月16日発表した平成15年簡易生命表によれば、日本人の平均寿命は、女性が85.33歳、男性が78.36歳となった(リンクのページに簡易生命表サイトを掲載)。
 昨年より寿命の延びた主な要因は、がんや脳血管疾患などで亡くなる人の割合が減ったことによる。一方、下げた要因として自殺者が統計史上最悪(約2万3千人)を記録したことが上げられている。
 海外との比較では、男性は(1)アイスランド(78.7歳)(2)香港(78.6歳)(3)日本(78.4歳)、女性は(1)日本(85.3歳)(2)香港(84.5歳)(3)スイス(83.0歳)である。
 生命表は、その年の年齢別の死亡状況が今後も変化しないと仮定した場合、各年齢の男女があと何年生きられるかなどを算定したものであり、0歳児の平均余命が、平均寿命になる。従って、85歳の女性の平均余命は7.95年、80歳の男性の平均余命は8.26年である。まだまだ長生きしてもらいたい。また、定年を迎える60歳男性の平均余命は21.98年である。十分にもう一仕事できる。皆さん、ファイト!である。


2004/07/06
 骨粗鬆症の治療薬として注目されている天然化合物ノルゾアンタミン(norzoanthamine)の化学合成に、宮下正昭(北海道大)らのグループが成功した(Miyasita, M. et al. (2004) Total synthesis of norzoanthamine. Science[DOI: 10.1126/science.1098851])。この化合物は上村大輔(名古屋大)らのグループによって、奄美大島で採ったイソギンチャクの仲間のスナギンチャクから1995年に発見された。骨粗鬆症のマウスに、この化合物を1日40μg飲ませるだけで骨密度や骨重量の低下が抑えられるという。しかし、5kgのスナギンチャクから21μgしか取れないため、世界各国の研究チームが化学合成法の開発を競ってきた。

 ノルゾアンタミンは、七つの環がつながる複雑な化学構造をしているが、宮下らは環が一つの簡単な有機化合物から出発し、39 のステップを経て5年で完全合成に成功した。環が三つのところで難関があったらしいが、瞬間的に240℃に加熱することで乗り越えたという。

 我が国の天然物化学は、世界の最先端を行っているが、また一つ大きな成果が生まれた。「瞬間的に240℃にする」ことを思いついたのはどうしてなのか聞いてみたい。


2004/07/04
 1985-2001年に、脳卒中になった40-59歳の2116人と60歳以上の10,413人について調査した鳥取大医学部の結果によると、脳卒中になるリスクが一番低いのは日曜日で、月曜日は、日曜日に比べ1.5倍も高くなるそうである。40-50代は、日曜日より月曜日の方が、1・3−1・5倍と高いとのこと。(共同ニュース04/07/04)
 明日は、月曜日である。リラックスして仕事に取りかかることにしよう。とはいえ、油断していると、すぐに書類が山のようになってしまうのが悩みである。「貧乏暇なし」に間違いはない。






2004/06/30
 米国で大流行している「低炭水化物ダイエット」に異論を唱える研究機関や消費者団体が反対運動の組織を立ち上げた。 米国がん研究財団(AICR)をはじめ、老人医学や糖尿病、肥満などの研究団体が参加している。AICRのプリンス(J. Prince)氏が「科学的根拠のない説を売り文句にして、一部の企業だけが暴利をむさぼることになる」と述べ、厳しく批判した。AICRによると、炭水化物を極端に抑えて体重を減らす方法は、腎臓や肝臓に負担がかかり、がん、心臓病、脳卒中、糖尿病など生活習慣病発症のリスクが高まるとしている。また、低脂肪ダイエットとの比較調査では、最初の6カ月は低炭水化物ダイエットの方が急激に体重が落ちるが、1年後の効果はほぼ同じになるとの結果が報告されている。(CNN 04/06/28)
 果物、野菜、豆類、全粒穀類を食べると生活習慣病の予防効果が高いことは科学的に証明されている。これらの主成分は炭水化物であることから「低炭水化物ダイエット」の異常さが分かる。


2004/06/22
 厚生労働省が全国1500人を対象にアンケート調査を行った結果、糖尿病や心疾患などの原因として56%の人が生活習慣にあると考えていることが分かった。ついで健康を損なう原因として、インフルエンザやSARSなどの感染症(22%)で、次が大気や環境汚染(16%)となっている。一方、医療機関や医師に不安を感じることが「よくある」「ときどきある」が73%、安心のために患者ができることは、「納得できるまで治療に関する説明を聞くこと」(55.1%)としているが、実践している人は41%であった(04年度厚生労働白書より)。


2004/06/17
 イギリスの研究グループは、遺伝子研究用のモデル植物として世界的に用いられているアラビドプシス(シロイヌナズナ)の遺伝子を組み換えて、長鎖不飽和脂肪酸であるアラキドン酸とエイコサペンタエン酸(EPA)を生産できることを明らかにした(Baoxiu, Qi., et al., Nature Biotechnology 22, 739-745 (2004))。
 今まで魚から供給されていたEPAなどの長鎖不飽和脂肪酸の供給源として高等植物も可能であることが示された。

用語解説
・アラキドン酸:n-6系必須脂肪酸。動物の体内においてアラキドン酸は、リノール酸から γ-リノレン酸を経て合成されるが、十分な量のリノール酸を摂取しても、体内合成だけでは不十分だと考えられている。

・EPA(エイコサペンタエン酸)は、魚に多く含まれている不飽和脂肪酸。血液の流れを妨げるコレステロールや脂肪を減らす働きがあると考えられている。動脈硬化や心筋梗塞、脳血栓などの予防効果が期待されている。


2004/06/04
 厚労省がアレルギーについて調査した結果、皮膚や呼吸器、目鼻のいずれかでアレルギーのような症状を過去1年間に経験した人は35.9%、アレルギー性の病気と診断された人は14.7%いることが分かった。(毎日新聞04/06/03)
 この数字を見ると、アレルギー予防についての研究の重要性が再認識される。

2004/06/03
 アレルギー増加は、抗生物質を使いすぎたのが原因と米ミシガン大の研究チームがマウスの実験をもとに発表した。抗生物質は病気の原因となる細菌を退治するが、大腸や小腸の中の「善玉菌」も殺してしまい、これが全身の免疫システムを狂わせると述べている。(CNN04/05/30)
 アレルギーの増加は脂肪のとりすぎなど食生活が関与しているが、抗生物質の使いすぎも関係あるかもしれない。






2004/05/27
 厚労省は、がんが治ったなどを掲載した体験本を出した出版社に対し、虚偽・誇大広告を禁じた健康増進法に基づく改善指導を行った。出版社への指導は初めて。出版社が一定期間内に改善しない場合、勧告や罰金などの措置を取るとしている。(毎日新聞04/5/27)
 健康に関するとんでも本はかなりあるが、言論の自由との関わりがあり、判断はかなり難しい。上記の改善指導も本としてではなく広告としての判断である。とんでも本に対抗するためには、科学的な考え方の普及、そのための地道な努力が大切である。


04/05/24
 世界保健機関(WHO)は22日の総会で、「食事と運動と健康に関する世界戦略」を採択した。この世界戦略は、生活習慣病を防ぐため、バランスの取れた食事と適度な運動を行い、脂肪や砂糖、塩の摂取を減らし、果物や野菜の摂取を増やすことを勧めている。そして、この世界戦略を実現するための政策として、農業政策、課税・補助金などを通じた健康促進策、未成年者の食習慣に悪影響を与える広告の自粛などを進めるよう勧告した。
 果物を多く摂取することがWHOの勧告に盛り込まれたことから、「毎日くだもの200g」運動に弾みにつくことを期待したい。WHOのサイトは下記。
http://www.who.int/mediacentre/releases/2004/wha4/en/
詳細は、次回メルマガ13号で報告の予定。


04/04/30
 アメリカ政府は、将来糖尿病を発病する危険性が高い“予備軍”(pre-diabetic)の数が約4100万人に上るとの新推計を発表した。糖尿病患者は約1800万人いるため、米国民の5人に1人が糖尿病かその予備軍という。米糖尿病協会が昨年、正常な血糖値の上限を引き下げたため、従来約2000万人だったのが一挙に倍増した。特に、40−74歳の40%が糖尿病予備軍と判定された。
 2002年の日本の調査では患者が740万人、可能性が否定できない人が880万人とされている。(CNN/共同通信など 04/04/30)


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