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タフツ大学(アメリカ)のHowarthらが、食物繊維と体重のコントロールについてまとめたレビューによれば、食物繊維を多く摂取すると空腹感が解消され、満腹感が増加すると報告しています。そして、食物繊維の摂取量を1日14g多くすると平均3.8ヶ月で体重が1.9kg減少することが示されました。さらに、食物繊維の摂取は、肥満の人に対してより効果的であり、体重が2.4kg減ると報告しています。同時に、食物繊維を多く摂取すると、脂肪の摂取量が減ることも分かりました。一方、肥満の人の多いアメリカ人の食物繊維摂取量は1日当たり15gであることから、肥満を解消するために、1日当たり25g以上の食物繊維の摂取を提案しています。(Nutrition
Review
59:129-139,2001)。我が国の食物繊維摂取量も減少傾向にあり、摂取量はアメリカと同程度です。
果物には水溶性食物繊維も不溶性食物繊維も豊富に含まれていますが、水溶性食物繊維が多いことに特徴があります。上記論文では、水溶性食物繊維を摂取した研究8件のうち6件で満腹感が得られたとしています。デラウエア大学(アメリカ)の学生を対象とした研究では、リンゴを摂取すると満腹感が他の食品(ジャガイモ、パン、コメ)より持続することが明らかにされています。また、ブラジルにおけるリンゴとナシの摂取試験では、体重が減少したと報告されています。以上のように果物は美味しいだけでなく、ダイエットにも効果があります。
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