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 ■ リンゴで生活習慣病予防

      
リンゴ摂取で高脂血症の予防

リンゴ摂取とアレルギー予防

リンゴとビタミンC

リンゴとチーズの素敵な関係

リンゴの健康機能性に関する科学的根拠(研究論文等)

 
      

□ リンゴ摂取で高脂血症の予防


 リンゴは不思議な果物です。栄養成分が記載されている日本食品標準成分表を見ても他の食品と比べて、特徴的な成分は見あたりません。にもかかわらず、数多くの疫学調査、ヒト介入研究などで、生活習慣病予防に効果があると報告されています。すなわち、「1日1個のリンゴで医者いらず」には、科学的に十分な証拠が蓄積しています。今回は、リンゴ摂取と高脂血症の予防についてです。

 血液中の脂質のうち、コレステロール(LDLまたはHDL)、中性脂肪などのいずれかが標準値より高いと高脂血症と診断されます。日本動脈硬化学会の診断基準では、コレステロール値220mg/dl、中性脂肪150mg/dlが採用されています。高脂血症は、遺伝的素因や不適切な食事、運動不足などが原因で発生します。高脂血症になると、血中の脂質が過剰となり、動脈硬化を引き起こして心臓病や脳卒中になるなど、様々な生活習慣病をもたらします。

 リンゴを摂取すると中性脂肪が減少することが農研機構果樹研究所の研究で明らかとなりました。ボランティアに1日1個半から2個のリンゴを、3週間、普通に食べてもらった結果、血液中の中性脂肪が21%減少しました。基準値を超えていた214mg/dlのヒトでは126mg/dlと正常値にまで改善しました。リンゴを摂取すると、中性脂肪が多いヒトでは減少幅が大きく、もともと少ないヒトでは増加することから、リンゴは中性脂肪を正常化するように働くと考えられます。

 血清中のコレステロール値が265mg/dl以上のヒトは、220mg/dl以下のヒトに比べ心臓病になる危険率が2〜5倍になるされています。ドイツで行われた高脂血症の患者に対する研究では、リンゴペクチンを1日15グラム摂取すると、血液中の総コレステロールと中性脂肪が有意に低下し、HDL-コレステロール(善玉コレステロール)は増加しました。試験開始後90日目には、健常者の脂質構成とほぼ同じになりました。さらに、弘前大学で行われた糖尿病患者に対するリンゴに含まれている食物繊維の研究、農研機構果樹研究所の健常者に対するリンゴペクチンの研究でも、HDL-コレステロールの増加と、総コレステロール、LDL-コレステロール(悪玉コレステロール)、動脈硬化指数の低下を認めています。

 疫学調査の結果からも心臓病や脳卒中に対するリンゴ摂取の効果が明らかされています。フィンランドで1967年から28年間、約1万人の男女を調べた疫学調査(コホート研究)から、リンゴの摂取は、脳卒中になるリスクを、男性で41%、女性で39%下げると報告されています。このリスク低減効果は、ワインやお茶、タマネギよりも高いとしています。

リンゴで生活習慣病予防


      
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